仕事前
実家に電話した。
とりあえず誰かに話して落ち着こうと思った。
…だけどこんな時に聞きたくなかったわ。
都営住宅（要するに低所得者のための住宅）の話。
そこに移り住んで、今居る家を貸せばあたしが働かなくてすむ、と。
…ねえあたし好きで働いてるの…こんなんでも…。
そもそもここにはあたしの大事なものがありすぎる。
ウイークリーマンションじゃダメなんですか。*1
そもそもあたしはあたしの力で働いて金貯めて
あたしの意思で引っ越したいの。
引っ越すなら北国で、誰も知らないうちに黙って死んであげるから
こんな不安定な時にそんな話しないで。
どうしてこれ以上あたしの大事なものを取り上げるの貴方は。
運命はあたしをどうしたいの。
いとしいひとを奪って、心身のバランスを奪って、人を信じる心を奪って、
これ以上あたしから何を奪いたいの「神様」。
これ以上あたしから何かを奪うなら、
あたしはこの先「守護霊」や「神」なんか絶対信じない。
…まぁそもそも悪魔に魅入られた女を守護するのは悪魔か。
それならば納得するけどね。
それならそれで、これ以上アンタにだって何も奪わせない。
誰にも何も奪わせない。
